人は誰しも本を一冊かけるほどの人生を送っている

インプットとアウトプットの記録

人生をお気に入りで埋め尽くしてゆく。37回目の誕生日の誓い。

フルートを始めて1年が過ぎた。

低音、中音、高音、なんとかすべての音が出せるようになってから

より本物に近い音色で吹きたくなってきた。

今使っているのは初心者でも簡単に鳴らせる素材(白銅)で出来たフルート。

フルートの構造を持ちながら

フルートの音色を奏でられない楽器。。せつない。

楽器店に足を運んだら

ピンとくるフルートに出会ってしまった。

キィ以外は銀で出来ていて

限りなく総銀製に近い響きを持つという

工場で大量生産されているからコスパ良しのヤマハフルート412。

初めての一本を検討してる中高生にオススメ…ということは

完全に趣味でしか吹かない大人女子の

一生物の一本になることは間違いないだろう。

中古でもいいから必ず手に入れようと心に決めた先週の日曜日は

37回目の誕生日。

 

フルートも庭仕事もハワイアンキルトも

どれもわたしの大切な趣味だ。

この世を去る前の日まで演奏していたいし

庭で花や木に囲まれながら風に当たりたいし

キルトの模様を手でなぞっていたい。

 

始まりはハワイアンキルト。

同棲してた彼氏と別れた25歳夏、

本屋で一冊キャシーマムの本を買って熟読。

手芸屋でムラ染めの布と針と糸とフープを大人買い、総額2万円。

キャシーマムのハウツーDVDで学んで縫い始めた。

 

それまでのわたしは

彼氏が趣味みたいなもんだった。

ベタ惚れ中の彼氏の好みに合わせてサーフブランドの服を着て

彼氏の胃袋をしっかり掴む美味しいご飯を毎日用意。

基礎化粧品とコスメは老舗メーカーの何万円もするきちんとしたものを使っていた。

基礎化粧品をやめたらブスになると思い込んで。笑

身の丈に合わない買い物をして

入ってきたお金は毎月しっかり使い切ってた。笑笑

その彼氏があまりにも傍若無人

流石に情が薄れてきて5年間の同棲に終止符を打ってから

徐々にコンプレックスを誤魔化すための買い物をやめられるようになって今がある。

現在のわたしは石けんで洗顔→ワセリン薄く塗る、以上。

お財布に優しい。お肌にも優しい。

傍若無人彼氏くんのおかけで育った自尊心が結果的には私たちを別れさせることになったけど

子ども時代に親からもらえなかったものをお互い与え合った経験は、いまでは宝物。感謝。

 

12年前ハワイアンキルトを縫い始め

8年前娘が生まれて

7年前庭をパンジービオラで埋め尽くして

1年前天使のフルート教室に足を踏み入れた。

 

人生はパズルみたいだ。

生まれたばかりの娘を抱いたとき

足りなかったピースがピタッとハマるような充足感を得た。

そのピタ感は毎日毎日薄皮一枚重ねてくように

今日もわたしの魂をより完全な球体にしていくように降り積もっていく。

今日もキルトを10センチ進めて

芽を出したばかりの朝顔に水を遣る。

午後2時をまわったら白銅のフルートを持って二階に上がり

締め切った寝室で高音の練習に集中するだろう。

 

愛しい人生だ。

どんな失敗も

成功も

この歓びの基盤になった

大切な一部。

 

出会いと別れと再会と。

なだらかな山と谷をトロッコで駆けるような36年間。

37年目も楽しみだな。

こんなに楽しい30代になるとは

高校入学したばかりのわたしには想像もできなかった。

 

傍若無人彼氏くん

あなたのことだからきっと幸せに生きてることでしょう

どうかずっと幸せでいてね。

わたしは次の発表会でA香ちゃんともう一人の幼馴染とムーンライト伝説を吹きます。


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